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こだわりのお酒、他と違う価値を追求する酒屋

出口幸弘さん(でぐちゆきひろさん)

いすみ市内で多種多様なここにしかないお酒を取り扱う老舗酒店「出口商店」の4代目店主。

どんな活動をしていますか?

酒屋「出口商店」の経営をしています。スーパーと同じ品揃えだったら、それは価格競争でしかなくなってしまいます。だから他が扱っていないものを売る、ということが大事になります。だから私は、多種多様なお酒を揃えて商品の差別化を行っています。利き酒会というものを作って、小さな地方の蔵のお酒、季節のお酒などを試飲し、様々な観点から点数化するんです。こうすることで、お客さんが知らないお酒でもそのお酒の説明が詳しく出来るのです。説明が付加価値になり、お客さんに納得して商品を買ってもらう、ということをいつも大事にしています。

はじめたきっかけはなんですか?

私の4代前であるひいおじいさんが初代で、武士で食べていくことができず、酒屋に見習いに行って修行をして、その後出口商店を始めました。それから、この出口商店は120年以上続いてきました。私は次男で、家業である酒屋はもともと私の兄が後を継ぐ予定でした。だから、自分が後を継ぐことは全く考えていませんでした。しかし、突然成り行きで私が跡継ぎになりました。当時は初めの2、3年家業をすれば、もうやらなくて済むかな、と思っていたからずっと続けていく気はなかったんです。でもそのまま続けることになって、そのまま今に至っています。

一番大切にしていることはなんですか?

ネットワーク、人との出会い、繋がりですね。表面的にはお金が動いますが、その奥には人の繋がりがあります。バブルが終わって、周りの商店が次々と閉店していきました。けれど、不思議な縁があるもので、私をかわいがってくれる人が周りに多くいました。その人たちのおかげで珍しい海外のお酒の仕入れルートを作ることができ、他の店と差別化を図ることが出来たのはとても感謝しています。

 

店内にはたくさんのお酒が並ぶ

今後の目標を教えてください

10年後にも商売をやっていることです。今後は、朝市などで食の提供を通して、飲食業をしていきたいと考えています。「美食の街」いすみの活動通じて、こだわりの商品を多くの人に提供したいと思っています。他では売ってない商品で揃えたいですね。本当の繁盛店ってそういうものだと思っています。そして多くの人を集めていきたいと思います。

いすみに新しく来る若者に対して

私自身、最初はいすみはダメだと思っていました。子どもは帰って来ちゃダメだと。だけど今は、長年住んでいる私たちからしてみたら何の感謝もなく当たり前でも、他のところから見たら凄く良いんだということが分かったんですよ。海の幸は抜群に良いし、都心からのアクセスも良いです。とにかく人がいい。実際、いすみに移住して来た人から「こんなに受け入れられるところはない。」「こんなに友達がいっぱい出来るところはない。」という話をよく聞くんですよ。困っている人を助ける気質があるのかもしれません。みんな親切に応えてくれますよ。

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