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直売所「ごじゃ箱」を通じていすみ市の農業を持続可能なものへ

最首博之さん(さいしゅひろしさん)

昭和37年10月7日生まれ。農家と直売所「ごじゃ箱」の経営している。

どんな活動をしていますか?

農家と直売所「ごじゃ箱」の経営をしています。 農業は家業を継ぐかたちで始め、野菜類、花卉、果物を50種ほど栽培しています。苗に関しては特に夏野菜はそのほとんどの種類を育てています。 直売所「ごじゃ箱」は25年前にいすみ市の農業の特性をいかした新たな農作物の提供の形を求めて設立しました。今では会員300人強までになり、内1割が移住者という形態です。大量生産ではなく、少量多種の生産体制の農家が多いいすみ市だからこそ生まれた組織です。

店内はいすみでとれた野菜が数多く並ぶ

はじめたきっかけはなんですか?

直売所「ごじゃ箱」を始めたきっかけは、大きく3つあります。  一つ目は、自分で売るということに魅力を感じたことです。直売は市場を通さないので、価格設定は生産者自身で行います。お客様の期待に答えられる品質のものを提供しなくてはいけないという責任があります。  二つ目は、いすみ市の農業は大量生産ではなく、個々の農家で少量多種に行う農業であったことです。そうした農業形態であったからこそ直売所の仕組みとマッチすることができたのです。  三つ目は、いすみ市は歴史的にも朝市の文化が根付いているため少量多種に生産し直接消費者に売るという考え方のベースが存在したから実行しやすかった、というものです。

ハウス栽培のいちご

一番大切にしていることはなんですか?

ずばり、お客さんとの信頼関係を作ることです。 自分が常にお客さんの立場に立って考えることを意識しています。一回買ってくれたお客さんが次にまた買いに来てくれるかが大切なのです。価値はお客さんが食べた時にわかるのもので、提供側は、その価格・期待に負けないようにしないといけません。お客さんの期待に応えることができるか否かでリピーターになってもらえるかが決まります。農家さんに求められる上質さというプレッシャーは大きいですが、生産者として選ばれれば指名買いにもつながります。一回限りのお客さんでなく、リピーターのお客さんのためにも、お客さんとの信頼を大切にしています。

 

「ごじゃ箱」の概観

今後の目標を教えてください

「ごじゃ箱」に並ぶ野菜の品質の向上を望める環境をさらに整えることが今後の目標です。「ごじゃ箱」は生産者の新規受け入れを拒まみません。ライバルがいないと甘えてしまうからです。各農家は自分の力でお客さんを捕まえてほしいというのが望みです。いすみに本気の農家を増やしていき、直売所内でも全体の品質を向上させ、お客さんとの信頼性をさらに深めていきたいと思います。

いすみで新しく農業を始めようとしているかたへメッセージをお願いします

新規就農者を歓迎しています。「ごじゃ箱」の会員になれば、お客さんに売ることができる場を提供します。 農業改良普及員との連携で農家さん向けに研修会を開くこともあるので、ぜひ活用してほしいです。 一つ言っておきたいのは、農業は厳しい側面もあること。何ヶ月もかけて育てていても、一晩の台風で農作物がすべてダメになってしまうこともあります。そんな時に、心折れてしまうのではなく、次に向かって頑張れる新規参入者がほしいです。周りの農家さんとのコミュニケーションできる人、助け合える人を新規就農者に求めます。

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