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いすみ市出身。大学卒業後住宅メーカーに勤務。合気道との出会いやピースボートでの世界一周を経て、より自然な社会を形付けたい想いで無農薬・無肥料の米作りに挑んでいる。
無農薬・無肥料で米作りをしています。その自然米を使って作られた日本酒や本みりんなどこだわりの加工品も手がけています。また、合気道の修行に励んでおり、合気道と農業は同じものと捉えています。天地宇宙自然と一体となることを目的とする合気道の思想を体得したい想いも重なり、無農薬・無肥料という栽培方法を選択しました。それだけでなく、無農薬・無肥料のお米を作っている農業者はかなり少ないので米の特徴の一つになります。価値の分かる人に適正価格で買ってもらい、自然との調和と経済性の両立が成り立つモデルをつくりたいと考えています。
合気道との出会いは大きく、武と農は切り離せないという言葉から農業をして合気道の精神を体得しようと無農薬・無肥料の米作りをすると決めました。本腰を入れて取り組み始めたきっかけの一つに東日本大震災の経験があります。浦安で被災し、町から何もかもがなくなってしまった時に、都市生活の脆弱さと地方の力に気づきなんとかしたいという思いが生まれ、農業の実践を後押ししました。また、死を覚悟するような体験や結婚などの経験も大きく、意志が固まりした。
昔から見てきた地域の自然環境をより豊かにして繋いでいきたいという想いが根本にあります。今の社会では、自然、環境といったものと人間の生業とが共存できないことが前提の世の中であり、そうではなく人間と自然は一体であり共生できることを証明したいという軸を持って、仕事をしています。その強い思いは、合気道の思想の影響も大きく、すべてのものに役割が合って役割を果たした時に全体として調和しており、それが自然であるという考え方を常に大切にしています。
合気道エコビレッジ(仮)を作りたいです。自然との全体の調和を大切にする合気道の思想を体感できるような場づくりをしたいです。住宅メーカーで働いていたことや、ピースボートでの世界一周の経験から、どうしたら持続可能で、みんながハッピーな社会になるのだろうかということは常に考えています。しかし、それは自分の農園だけの実践では変わりません。まずは地域全体を巻き込んで持続可能な社会のモデルケースとなり広く波及していくことが理想です。
水を共有し栽培する米作りでは、地域の協力と理解がなければどれだけ頑張っても何も出来ませんでした。地域の理解が得られることがチャレンジに優しいといういすみ市の象徴だと思います。つるかめ農園では、研修生制度を設けており、農業の技術や精神を伝える仕組みを作っています。それは、自分だけでなく地域全体で持続可能で共存共栄が実現できるようにプレイヤーを増やしたいという意図があります。これからの社会の理想を実現させると同時に新しく入ってきた人にとっての地域の窓口になれるように心がけています。
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