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環境大臣表彰を受賞した、いすみ星空の仕掛け人・元地域おこし協力隊の草原さんに聞く地域の魅力

元地域おこし協力隊 
いすみ星空学校 代表 草原 学さん

星がきれいだから、いすみに来る
環境大臣表彰を受賞した、いすみ星空の仕掛け人・草原さんに聞く地域の魅力
いすみの星空は、今や雑誌や移住相談の現場でも「星がきれいなまち」として知られるようになりました。そのきっかけとなったのが、草原さんが撮り続けてきた星空の写真です。
荒木根ダムをはじめとする夜の風景を切り取った一枚一枚が、「いすみに、こんな星空がある」と広めてきました。

星の魅力に気づいた原点
草原さんが星に強く惹かれるようになったのは、若い頃に登った信州の山がきっかけでした。
「山で見た星空があまりに綺麗で、これを写真に残したいと思ったんです。」
それからカメラや機材を担いで山に登り、星を撮り続けてきました。仕事が忙しくなり、以前のように山へ通うことはできなくなっても、星の写真だけは手元に残り続けていたといいます。
「星は嘘をつかない。見えるところには、ちゃんと見えるんです。暗いということは、実はとても豊かなことなんです。」

いすみ市に来たきっかけ
星を撮れる場所を探す中で出会ったのが、いすみ市の荒木根ダムでした。
写真で見たその星空に衝撃を受け、実際に足を運ぶようになります。
「こんな近くに、こんな宙(そら)があるのかと思いました。日々通いましたね。」
「毎日星が撮れて、東京からも通えて、ホタルもいて、いすみ鉄道もとてもかわいらしい。
わざわざお金をかけて何かを作らなくても、すでにここにあるそのままが魅力になっている街だと思ったんです。」
そうした想いから、いすみ市への移住を本気で考え始めます。

地域おこし協力隊での活動
移住を考える中で目に留まったのが、「地域おこし協力隊」の募集でした。
「いきなりすべてを捨てて移住するより、リスクを分散できるのが協力隊でした。いすみに軸足を置きながら、地域に馴染む時間が持てたのは大きかったですね。」
草原さんは協力隊として約4年半活動。
いすみ星空学校の立ち上げや旅行会社とのツアー企画、地域との関係づくりに深く関わってきました。
「協力隊は自分が“ここで何をしたいか”そして、その先の未来を思い描いて着任する事が大事だと思います。」

星空観望会と多彩なイベント

いすみ星空学校の活動の中心は、「いすみ市星空観望会」と、子ども向けの宇宙教室「コズミックカレッジ」です。
「子どもたちに宇宙の楽しさを知ってほしいという想いと、地域外の方にいすみに興味を持ってもらいたいという気持ちがありました。」
令和元年から続く星のイベントは、コロナ禍を挟みながらも継続され、合わせて約60回にのぼります。
また、冬には「いすみ冬の星まつり」を開催。
雪が殆ど降らない、いすみだからこそできる冬イベントで、昼は移動式プラネタリウムや手作り作家によるワークショップ、夜にはいすみの星空を楽しむ観望会が行われます。
ホタルの里・いすみでは、夜の自然を大切にした撮影ツアーや体験も実施。
「何も作らなくても、ここにあるものの、そのままを活かす」ことを大切にした取り組みが、少しずつ地域の魅力として広がっていきました。

宿泊と星空をつなぐ、“夜の観光”という発想
いすみの取り組みの大きなポイントは、日帰り観光から宿泊への転換にあると思っています。「千葉の海辺って、朝市にたくさんの方がお買い物にきてくださいますが、お昼には帰ってしまう方が多いんです。お昼で完結してしまうと、どうしても宿泊にはつながりにくい。でも、星をみるという目的があれば、夜まで残る理由になりますよね。」
星空観望会やイベントを続けてきた結果、いすみや他の外房地域、南房総地域の宿泊施設が「星がきれい」「星空観賞ができます」とPRするケースが増えてきました。
「民泊や一棟貸しの宿、旅館などが、自然に「星がきれい」と打ち出してくれるようになったことは、とても嬉しいですね。外房全体のそれぞれの街同士が“星で繋がる地域”みたいになっていけたらいいなあと思っています。」
外房地域とも連携して活動し、“いすみ発”の星の活動が、千葉県全体へと広がりつつあります。

環境大臣賞という評価
こうした活動が評価され、草原さんが代表を務める「いすみ星空学校」は、「星空の街・あおぞらの街」全国大会で環境大臣賞を受賞されました。しかし、本人は繰り返しこう話します。
「これは私が頂いた賞じゃないんです。日々の活動にご理解・ご支援を頂いている地域のみなさん、宿泊事業者さん、ボランティアで活動している星空学校の会員、立ち上げから協力いただいた市役所の方々など、関わってくれた全ての人と一緒に受賞したものです。」
星のソムリエ(星空案内人)の養成にも力を入れ、これまでに200人を超える案内人が育ちました。
「人を育てることが、地域の力になる。」その言葉どおり、星の活動は“いすみ全体”のものとして根づいています。

移住者・協力隊を考える人へ
最後に、移住や地域おこし協力隊を考える人へのメッセージを伺いました。
「“協力隊になること”を目的にしないでほしいですね。自分はこの地域で何をしたいのか。その軸がある人のほうが、地域も本人も幸せになれると思います」
また、地方で暮らすことについては、こんな言葉も印象的でした。
「田舎では本当によく関心を持って人に見られています(笑)。それを窮屈と感じるか、見守られていると感じるかで、暮らしは大きく変わります。」

星の見える暮らしがあるまち、いすみ
「関東からこんなに近い場所で天の川が見える。本当にすごいことなんですよ。」
草原さんは、星をきっかけにした移住体験や宿泊と連動した取り組みなど、いすみの未来を見据えた構想を語ります。
星は、ただ眺めるだけのものではなく、暮らしや仕事、地域をつなぐ存在。
星をきっかけに、いすみでの暮らしを見つけてみませんか。

2026年2月7日 第2回いすみ冬の星まつり 開催予定

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