河野 美帆さん
いすみで「バカ騒ぎしていい時間」を。
ZUMBA(ズンバ)で人とまちをつなぐ
「海外へ行くなんて、自分とは無縁だと思っていました。」
そう笑顔で話すのは、現在は台湾に暮らしながら、いすみ市でZUMBAサークルを立ち上げた、インストラクター河野さん。
保育士として16年間勤務し、その後は夫の海外転勤で中国へ。
現在の河野さんの人生を大きく変えたのは「ZUMBA」との出会いでした。
いすみで育ち、保育士として16年
「県外に出ることもほとんどなかった子ども時代」
河野さんは、いすみ市で生まれ育ち、ずっとこの地域が生活の中心でした。
「両親も祖父母も、海外とは縁のない暮らしでした。県外に出ることもあまりなくて、海外なんてまったくイメージできなかったですね。」
高校卒業後は、保育士になる夢を叶えるため、千葉県内の短期大学へ進学。卒業後は16年間、保育士として子どもたちと向き合う日々を送りました。
中国への転勤、そしてZUMBAとの出会い
ご主人の転勤をきっかけに、中国での生活がスタートします。そこで、ZUMBAとの運命的な出会いがありました。
「中国に実際に住んでみたら、現地の方の人柄が本当に良くて。たくさん助けてもらって、『もう一度住みたい』って思うくらい大好きになりました。」
ZUMBAも、中国で始めたのがきっかけ。中国での生活が、ZUMBAとの出会いと、新しい生き方への一歩になりました。
ZUMBAってどんなダンス?
「意味は“バカ騒ぎ”。年齢関係なく、非日常を楽しめる時間。」
ZUMBAは、コロンビア発祥のエクササイズダンス。ラテン音楽を中心に、サルサやフラメンコなど世界中のダンスの要素がミックスされています。
「ZUMBAって、スペイン語で“バカ騒ぎ”っていう意味なんです。もう、年齢関係なく、みんなでバカ騒ぎできる時間。普段の私とは別人みたいって言われるくらい、会場にいる私の性格はガラッと変わります(笑)」
普段は落ち着いた雰囲気の河野さんも、ZUMBAのレッスンでは思い切り明るく、エネルギッシュなインストラクターに。
「動画だけ見ると『激しそうで自分にはできない』って思われがちなんですけど、激しく動いているのはだいたいインストラクターだけ。参加する方は、自分の体力に合わせて動きを調整できるので、本当に老若男女、どんな方でも参加できるんです。」
2人から始まったサークルが、今では約80名に
日本へ戻ってからは、再び千葉県で暮らすことに。そこで「保育士に戻るか、ZUMBAを仕事にするか」の選択に直面します。
「頭の中がもうZUMBA一色で(笑)。思い切ってズンバの資格を取りました。」
日本で他の先生のクラスにも通いながら学び、資格取得から半年後、まずは千葉市でレッスンをスタート。その後、「いすみでもやってみよう」と決めたきっかけは、お母さまの存在でした。
「社交ダンスをやってましたが、ZUMBAは一人で参加して、一人で踊れる。中国にいる頃から母に動画を見せていたので、『いすみのみんなにも見せてみたら?』と言ってもらいました。」
最初は、「母と、近所の方、たった2人からでいいから」と頼まれたお試しレッスン。
「お試しでやったのに、10名くらい集まってくださって。『じゃあ始めてみようか』って。」
そこから少しずつ口コミで広がり、当初8名ほどだったメンバーは、今では約80名にまで増えました。イベントに出演するのは一部ですが、その舞台だけでも大勢がステージに立ちます。
「人前で踊るのは恥ずかしいという方も多いので、実際のメンバー数はステージに出ている人数の何倍もいます。」
年齢層は60代が一番多く、「定年を迎えて時間に余裕ができ、いろんなことにチャレンジしたい」方が中心。中には70代、さらに上の世代の方も楽しく通っています。
台湾からオンラインでつなぐ、これからの活動
「1月からオンラインズンバをスタートしたい」
現在、河野さんはご主人の転勤で台湾に暮らしています。現地では台湾人インストラクターのクラスに参加しながら、日本のメンバーへのオンラインレッスンの準備を進めてきました。
「ZUMBAの愛好者人口は世界では1500万人以上、日本では数百万から1000万人以上と言われているそうですが、地方では都内よりもイベントが少なくオンラインが人気になってきたようです。私も台湾の先生が日本とオンラインでレッスンをしていたので、やり方を教えてもらって、機材も少しずつ買い足して。やっと、日本のメンバーの方とつながる形が整ってきました。」
2026年1月からは、オンラインZUMBAを本格的にスタートする予定です。加えて、一時帰国のタイミングに合わせて、対面レッスンもできるだけ続けていくつもりです。
最後に、移住を考えている方や、いすみで新しいつながりを求めている方へのメッセージをお願いします
「いすみの方って、特に年齢層が高い方ほど、一人ひとりの“つながり”をとても大切にされるんです。新しく引っ越してきた方は、周りの人がどんな人なのか分からなくて不安もあると思います。ZUMBAは健康づくりだけでなく、人が自然とつながる場です。移住されてきた方にも、ここから輪が広がれば嬉しいです。」
「いすみに住んだら、ZUMBAもありますよ」と言えるまちに
いすみ市に移住してくる方には、さまざまな理由があります。その中のひとつとして、「いすみに住んだら、ZUMBAというコミュニティがありますよ。」と胸を張って言えるような存在になりたいです。
「ZUMBAは、本当に“バカになれる時間”なんです。日常のいろんなことを一旦忘れて、音楽に身を任せて。一緒に笑って、一緒に汗をかいて。そんな時間が、これからもいすみの中で続いていってくれたらいいなと思っています。」
地元で育ち、海外を経験し、再びいすみへ。
河野さんの歩みは、人が地域の魅力をつくっていくことを教えてくれます。
踊ることで生まれる笑顔、つながり、前向きな気持ち。ZUMBAを通して、コミュニティの輪が広がっています。


















